MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Flesh Field / Strain

Strain

Strain

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 アメリカ/オハイオ出身のダークエレクトロ/エレクトロインダストリアルユニットの3rdアルバム(2004年)。

 

 1~2作目まで女性ボーカルを担当したRian Millerが脱退し、本作より新たな女性ボーカリスト・Wendy Yankoを迎えて完成をみた3年ぶり3作目。強めにリズムが打ち鳴らされるEBM~ダークエレクトロという基本線はそのままに、前作までは(恐らく)封じていたギターを大胆に投入。メタリックというよりはノイジーな質感を与えるような用途で、直接的に耳を襲う激しさや煩さを加えつつ、オーケストレーションクワイアを巧みに使用するゴシックな世界観との合わせ技で一枚上の表現へ。打ち込みやエレクトロニックの鳴らされ方も、多彩になりつつもあくまでも機械的/SF的な質感を優先する形で彼らのアプローチの基盤を支えているし、男女のボーカルはともに奥まった位置でエフェクティブに配置され、オケを引き立てるような役割を目指したであろう割り切り方が上手く噛み合い、全体の整合性を確かなものにしています。歌メロに重きを置く音楽性ではないにしろ、やはり「これだ!」という一曲が欲しいというのはあるんだけど、全体的な完成度は明らかに向上。ただ聴き流すだけでも相当おいしいサウンドです。インダストリアルメタルの領域にも片足を突っ込んでいるような感触もあるので、何となく共通点が見い出せるCircle Of DustやKMFDMあたりが好きな人は是非とも聴いてみては。個人的にも、あまりゴシックに寄ると好みから外れるんだけど、この作品にはかなり惹き込まれました。