MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Pain / Nothing Remains The Same

Nothing Remains the Same

Nothing Remains the Same

 

 スウェーデン出身のPeter Tagtgrenによるインダストリアルメタル/シンフォニックメタルプロジェクトの3rdアルバム(2002年)。

 

 メタルギター、エレクトロニック、シンフォニックな弦の三位一体の絶妙なバランスと高品質な楽曲のアベレージで超強力な傑作となり、Painの存在を知らしめた前作。本作もその路線を引き継いでいるものの、スピーディな曲が多かった前作に比べるとスローに聴かせる曲の比率が増え、何だったらギターの存在感を薄めてストリングスをど真ん中に置いた泣きのバラードまでも披露。以前には全くなかったタイプの曲が新境地を思わせるけど、質的な変化というよりは、楽曲における各々の要素の配分が少し変わったり、方向性に幅を持たせたような感じ。全体的なクオリティで言えば相変わらず何の申し分もないし、スピーディな名曲リードトラック「It's Only Them」や、The Beatlesのカバーながらも完全に自分の物にしている「Eleanor Rigby」なども聴きどころではあるけど、「Supersonic Bitch」「On And On」を始めとした疾走感のある素晴らしい曲たちがガンガン攻めてくる前作の方が個人的には衝撃的だったなとは思います。しかし同等レベルの傑作には違いないし、人によってはこちらの方が好みかも。いずれにせよ、気になるならば手に取る価値は大いにアリ。