MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

girugamesh / Reason of crying

 4人組ロックバンドのミニアルバム(2007年)。

 

 前フルアルバムから約10カ月ぶりとなった、書き下ろしの楽曲5曲(+α)で構成されたミニアルバム。ヘヴィなサウンドを軸に置いたスタイルを踏襲しながら、一部で必要に応じて打ち込み(スクラッチ、リズムトラック、ピアノ等)をアクセント的に取り入れるなどの変化があり、ボーカリスト・左迅の歌にも大きな向上が見られ、時には激しいシャウトからラップまで自在に歌いこなす。こういった表現の拡大がそのままバンドの個性の強化に繋がり、明らかなパワーアップが見て取れます。特にオープニング曲「Real my place」は切れ味からしてそれまでと一線を画すフックがある佳曲。何でこの曲が後のベストアルバムやラストライブに選出されなかったのかが個人的に不思議なくらい。また通常盤のみに収録された限定シングル曲「お前に捧げる醜い声」も、ムックの「茫然自失」の大きな影響を感じるけど、ひたすらに激情を叩きつけるその猛烈なパワーでライブの定番かつバンドを代表するまでになった必聴曲。彼らのその後の躍進に繋がった作品ではないかと思います。