MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Marilyn Manson / The High End Of Low

High End of Low

High End of Low

 

 US出身のMarilyn Manson率いるインダストリアルロックバンドの7thアルバム。

 

 かつてMarilyn Mansonが三部作を発表していた頃にバンドに在籍し、右腕として活躍したベーシスト・Twiggy Ramirezが10年振りに復帰したことでも話題となった本作。更にはNine Inch Nailsの元ドラマー・Chris Vrennaをドラム/プログラミング/プロデュースに迎えており、そういった経緯から「往年のサウンド」を期待する声も一部であったのだとか。実際にもシングル曲を中心に勢いを若干取り戻した曲もあれば、それを通り越してよりオールドスクールな領域にまで手を伸ばしたような曲もあったりします。そういう意味では前作より曲のレンジは広がっているけど、根本的に三部作時代の代表曲などとは異なるベクトルだし、全体を通して大きく存在感を放つのはむしろアコースティックかつメランコリックな歌モノで、アレンジそのものも方向性を絞られています。前作の内省的なムードを引き継ぎながら、その上に新たな彼らなりのスタンダードを目指した作品というイメージ。悪くはないけど、スローな曲のテンポ感が似たり寄ったりで間延び気味なのが残念だし、「Irresponsible Hate Anthem」じゃないけどもう少しアンセム的な存在感というか、攻めっ気のある曲があれば良かったなと。