Foetus / Hole

Hole

Hole

 

 オーストラリア出身のインダストリアルシーンの帝王Jim Thirlwellのソロプロジェクトの3rdアルバム(1984年)。本作と次作は「Scraping Foetus Off The Wheel」名義でのリリースとなっています。

 

 それまでの自主制作体制から打って変わって、UKのSome Bizzare Recordsと契約し、その才能を世界に広め、衝撃をもらたすことに成功したとされる代表作。メタルパーカッションを乱打する金属質なサウンド・下品かつ凶暴なボーカル・果てしなく続く熱量/スピードといった原始的な要素は更に加速し、パンク/ニューウェイブ/ジャズ/ロカビリーなどの多面的な音楽性をごちゃごちゃに混ぜながらも違和感なくまとめ上げ、サウンドは更に強度を増します。荒々しさや無鉄砲さが強烈だった初期作とは違い、そのすべてに計算や裏付けがありそうなくらい洗練されているのに、Foetus独自の魅力や狂気は失われずむしろ研ぎ澄まされているという、実に驚きの完成度を誇るアルバム。一言でインダストリアルだと言い切れないその猥雑さと懐の深さとポップさは、同80年代インダストリアルシーンを象徴する他作品とも異なる存在感を醸し、MinistryやPIGやNine Inch Nailsといった以降の主要インダストリアル系ミュージシャンにも多大な影響を与えたとされ、発売から実に30年以上経つ今も語り継がれているほど。不朽の名作ここにあり。