MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

KMFDM / Hau Ruck

Hau Ruck

Hau Ruck

 

 ドイツ出身のインダストリアルバンドの14thアルバム。

 

 もともとは「FUBAR」(Fucked Up Beyond All Recognition/Repairの頭文字)というタイトルを予定していながらも、現在のタイトルに変更されたことで、3rdアルバム「UAIOE」(1989年)から続いた「アルバムタイトル5文字縛り」から久しぶりに解放されたというアルバム。2002年に(3年ぶりのだけど)再結成して以降、盟友ゲストのTim SköldやRaymond Wattsらを迎えた体制でリリースを重ね、バンドの存在を誇示。そして再結成後から数えて3作目となる本作では、一転してゲスト参加無しでの制作。しかし全くパワーダウンしていません。その攻撃性だけでオールオーケーだった前作「WWIII」のアグレッシブさを引き継ぎつつ、エレクトロ要素を強力にアピール。シンセベースをブリブリ鳴らしハイスピードで駆け抜けていく気持ちいいサウンドに、中核メンバーのみで制作したことが功を奏したのかのような(ちょっとだけ)古き良きKMFDMを思わせるベタな味つけやアレンジの妙が合わさり、その魅力が研ぎ澄まされ、新たなステージに立った感すら漂います。特にタイトル曲「Hau Ruck」の質実剛健・唯我独尊っぷりたるや。格好良すぎ!1999年の解散劇を経て(ただ単にEn Eschとの決別が目的だった?)すぐさま復活し、トータルでこれだけ長く活動しつつも、ここに来て最高傑作を更新せんとばかりの活動意欲を感じさせることが嬉しい、シーンを引っ張り続ける重鎮に相応しい傑作。これが今後のKMFDMのフォーマットになっていくのかも。