MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

I've "SHORT CIRCUIT"

 北海道に拠点を置き、アニメ/ゲーム系の楽曲を中心に制作するクリエイターチームによる電波ソング集(コンセプトアルバム)1作目(2003年)。

 

 電波ソングなどの底抜けに明るい曲を中心に選曲されたもので、普段のGIRLS COMPILATIONシリーズとは方向性が大きく異なり、全体的に甘々でふわふわとした空気が蔓延しています。なんせ売り文句が「チュッチュでアチチでヒャッホウなミラクルキュートソング」だもんな。特に前半4曲はその勢いも格別で、バックで何かしら合いの手やらセリフやらが常に聴こえて印象も強烈。「コスコスって コスコスって Honey」「CHU! CHU! CHU! (いえぇぇ~ぃ!)」「すきすきすkiss×4 キュンキュン!」とか次から次へと!そのインパクトには当時「I'veが壊れたか!?」と一部で物議を醸したとか。でもI'veという集団は美少女ゲームの主題歌をガチで作り続けてきただけあって、この電波ソングだってもちろんガチで、楽曲の核をなすメロディの良さ/アレンジの妙は確か。これらの怪曲を見事なまでに歌い上げるKOTOKOの手腕にも脱帽で、電波ソングを完全に自分のものに。そして詩月カオリKOTOKOとは異なるカラーで可愛く弾ける曲を歌いつつも、自身のボーカルデビュー曲「Senecio」などの優しげな曲も担当し、濃いアルバムの流れの中で一服の清涼剤のような存在になりバランスをとる。I'veの電波ソングはほとんどがこの2人(というかKOTOKO)によるものだけど、抜群のコンビネーションで一気に聴かせてくれます。良い作品ではあるけど、人前では聴かない方が懸命(笑)。