メキシコ出身のダークエレクトロ/アグロテックユニットの3rdアルバム。
その方向性は前作を綺麗に継承しており、今作においても高速ダンスビート&潰れたウゲウゲボーカルという彼らの特徴的なサウンドが展開。複数の長い尺/短い尺のサントラ風インスト曲を惜しげもなくぶっ込んで、トータルで世界観を作り上げるという手法も同様。新鮮味がないと言えばそうだけど、シンセの音色や重ね方等が向上していて楽曲に深みが出ているし、ドラムの音やボーカルの加工具合もそこに合わせたかのようにバランスを取られた感じになっていて、前作のチープさはきっちり払拭。ホラーテイストな空気感もより説得力が出ました。とはいえ強烈にグロテスクだったり暗かったりということはなく、先述したインスト曲の演出や、クラブ向けに特化したようなノリ重視の精神からは、もっとノイズを絡めたダークエレクトロに比べると、ショー的な魅せ方や聴きやすさを重視しているように思えます。それはそれで彼らの持ち味だし、それを早くもブレなく確立させているのは流石。