PIG / Wrecked

Wrecked

Wrecked

 

 UK出身のRaymond Wattsによるインダストリアルプロジェクトの5thアルバム(1996年)。

 

 静謐な暗黒世界を描いた前作から一転、賑やかなPIGが舞い戻ってきました。今回は飛び道具的なエレクトロニックを惜しみなく使い倒し、KMFDMのGünter Schulzがゲストに参加した成果もあってか、ゴリゴリのメタルギターも今まで以上に主張。そしてPIGの十八番であるオーケストレーションも確実に要点を抑えた活躍を見せ、派手に聴かせるという点では過去に例を見ない充実ぶり。加えて、全曲がそうでないにしろ、タイトル曲「Wrecked」を始めとしたスクエアなノリで疾走感たっぷりな楽曲の存在感が強いせいもあって全体的にイケイケな印象が強く、それだけインパクトもある。PIGの最高傑作という声もあるけど、ラテン/サンバ/ジャズ/ビッグバンド等の型にとらわれない音楽を展開していた初期の持ち味とかけ離れているところは、古参のファンには賛があるかも。しかし個人的には、PIGの個性が無くなるほど商業的な方向へ走ったわけではないと思うし、やはり良いものは良いなと思うのです。