MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Laibach / Nato

Nato

Nato

 

 スロベニア出身の前衛音楽/インダストリアルバンドの企画アルバム。

 

 「戦争に関する楽曲」をジャンルの枠にとらわれず選出し、カバーしたという内容。その発想にも驚愕だけど、楽曲の方もこれまた強烈に仕上がっています。Pink Floyd「Dogs Of War」やDAF「Alle Gegen Alle」を筆頭にした名曲たちを、彼らの代名詞でもあるオーケストラサウンドで再構築し、インダストリアルビートや高速ダンスビートに乗せるという非常に痛快な格好になっていて、特に前半はこれでもかとノリノリ。壮大なオーケストラ+ミニマルビートがひたすら重なり合うオープニング「Nato」からMilan Frasの雄々しいオペラボーカルから始まる「War」に繋がった瞬間や、そこからズムズムとダンスビートが鳴らされる流れは思わず笑みがこぼれます。これこれ!みたいな。もともとマニアックなユニットだし、このアルバムの立ち位置としても偏っているとは思うけど、音楽の方向性は素晴らしいほどに王道なので聴いていて気持ちがいいです。エンターテインメント性が格段に増しているというか。Laibachの他の作品が駄目な人もこれは楽しめるかも。