MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

I've / diRTY GiFT

 北海道に拠点を置き、アニメ/ゲーム系の楽曲を中心に制作するクリエイターチームによるコミックマーケット63で限定販売されたミニアルバム(2002年)。

 

 FISH TONE名義で作曲されたインスト楽曲が頭と終わりに位置し、それぞれ異なる女性ボーカリストが担当した5曲が中に挟まれるという形で全7曲からなる作品。通常のGIRLS COMPILATIONと比較すると実質的な曲数は半分にも満たないけれど、内容の素晴らしさについては何の遜色もない、というよりも一際突き抜けた出来と言ってよいかと。KOTOKOがボーカルを執るバンドユニットOuterによるSonic Youth「Dirty Boots」のインダストリアルメタル風カバーがいきなり衝撃的だし、続く神秘的なミドルナンバー「SWAY」で打ち出される幻想的な世界観も屈指。歌うのは参加したばかりの新人の詩月カオリだけど、どちらかというと牧歌的な曲が後々多くなる彼女を早くもこういった曲で抜群に使いこなしてるところも注目したい。そしてI've最古参でありながら今まで(個人的に)目立たなかったMELLが歌うのは、C.G mix作編曲によるトランス「砂漠の雪」。この名曲で一気にMELLの内なる力が引き出されたのではないか?と思えるくらいに理想的な化学反応が起きています。全盛期のI'veを支える面々が集い、それぞれ異なったカラーを最大限に発揮した本作は、曲数が少ないながらもアベレージが異様に高く、流れも非常によく収まっていて、このチームの魅力をこれでもかと高濃度に凝縮したかのような聴き応えがあります。名作!