MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

ROSEN KREUZ / C.O.L.D 91001

 後にDEF.MASTERで活躍するベーシストYU-MIが、DEF.MASTER以前に在籍していたゴシック/インダストリアルバンドの1stアルバム(1990年)。

 

 プロデュースには、かつての伝説的なインディーズレーベルTrans Recordsの設立者である北村昌士も関わっているらしい本作。この頃の音楽性をYU-MI本人がノイズ/ポジパンだと言及した文章を目にしたことがあって、実際聴いてみると、もちろんその通りのダークなポジパンだったりするのだけど、全体を支配する冷徹な佇まいや鋭さはまさに「The Land Of Rape And Honey」の頃のMinistryを彷彿とさせるし、実際に影響を受けたのかなと思わせる曲もあります。曲によって歪み/クリーン/うねりと変化するギターや怪しげな音色のシンセを中心にサウンドが組み立てられていて、機械的というよりもむしろ人力によるバンドサウンドだけど、前述したMinistryにも比肩するパワーや、たまに挿入される金属音やプログラミングビートとあいまって、最終的にはジャパノイズの系統とは異なる方向性でインダストリアルな魅力を持つ作品にもなっていると思います。耽美なバラードっぽい曲は最初期のLUNA SEAを若干思い起こさせたりもして、この辺りは化粧をしていた彼らの見た目も含め、後のヴィジュアル系に繋がった「黒服」「美学」バンドっぽさが見え隠れするのも個人的な印象としてありました。