MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

:Wumpscut: / Embryodead

Embryodead

Embryodead

 

 ドイツ出身のRudy Ratzingerによるダークエレクトロプロジェクトの3rdアルバム。

 

 その界隈ではトップクラスのキャリアと実力を誇る:Wumpscut:の作品群の中でも、特に評価の高いとされる作品のようです。聴いてみてなるほどと思いました。オカルティックな闇の世界へ引きずり込むシンセサウンドが張り巡らされ、そこを破壊力たっぷりの重いリズムトラックがドカドカと荒らしながら駆け抜けていく。ボーカルのスクリームボイスもあまりにも強烈で最早楽器と化しているし、曲の端々に反復して挿入されているノイズも非常に効果的。Skinny Puppy由来のインダストリアルな攻撃性をダークにコーティングしながら特化させた感じで、中でも「War」のビープ音を歪めたようなシンセと、ラストに待ち受けるリズムトラックの超高速連打のコンビは凶悪の一言。これは一度は聴いておく価値があります。アルバム終盤はボンヤリとした曲で世界観重視の流れになり、そこでちょっと失速する感もなくもないけど、総じてなかなかの好盤だと思います。