MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

KMFDM / Attak

Attak

Attak

  • アーティスト:Kmfdm
  • Metropolis
Amazon

 ドイツ出身のインダストリアルバンドの12thアルバム(2002年)。

 

 1999年に解散し、その後に3名で結成されたMDFMKの活動を経て、2002年にその3名を中心に再結成しての1作目、通算では3年ぶり12作目となるアルバム。言ってみれば新生KMFDMの出発点となる作品ではあるけど、そう長く間が空いたわけでもないし、解散直前あたりの時期~MDFMKでイニシアチブを執っていたメンバーがそのまま継続していることもあってか、サウンドの傾向は確かなその延長上といった趣。露骨なダンス/テクノ路線はさすがに引き継がなかったものの、それに準ずる多彩でノリのいいリズムアプローチや、その上に響き渡る重量感を増したメタルギターなど各要素をパワーアップ。Ministry等で広く活躍するBill Rieflin、PIGのRaymond Watts、KMFDMの旧女性ボーカリスト・Dorona Albertiといったゲスト陣も要所を支え、従来のKMFDMが持っていた喧噪的なロックを自覚的に展開しているようにも思えます。ただ、楽曲ごとにみるとハイスピードな曲調から一転スロウに落ちた哀愁の間奏が炸裂する「Sturm & Drang」、Sascha KonietzkoとTim Skoldのツインボーカルが押せ押せな「Risen」を始め結構好きなものも多いんだけど、全体で捉えてみると決め手に欠けるものがあり、後追いで聴いたせいか前後の作品と比較すると突出したものが薄く、若干の物足りなさが拭えない。タイトル通り攻撃的なものを目指したのかも知れないけど、サウンドの重量感に重きを置きすぎているような気もします。もちろん間違いなく一定の水準は超えているし、これはこれで好きな作品ではあるんだけど。