US出身のGary Zonによるインダストリアル/フューチャーポッププロジェクトの2ndアルバム。
ボーカルの比重が極端に少なく、入っていても過剰に加工されていたりして、聴き心地としてはインストアルバムに近かった前作から一転、今作では明確にボーカルが入っており、歌が中心の構成になっています。そのせいかハードで攻撃的だったバックのサウンドもだいぶ抑えられ、まだまだエフェクトがかかっているとはいえ結構メロウな歌い回しもあって、ダウナーでダークな世界観が先行します。闇に溶けかかっているジャケットそのまんまの音楽って感じですかね。時折ピアノの旋律をうまく盛り込んでいる場面もみられ、中でも「Cornered」の後奏のピアノソロから間髪入れずに名曲「Exit」に繋がる瞬間は鳥肌モノ。ややNine Inch Nails臭くもあるけど、決して単なる模倣などではなくその影響をしっかり血肉化している思います。他のフューチャーポップ/ダークエレクトロのアーティストにはない工夫や個性が光りまくっているなかなかの佳作。
