MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

SOFT BALLET / 愛と平和

愛と平和

愛と平和

 

 3人組ニューウェイブ/エレクトロニックユニットの3rdアルバム。

 

 これまでの作品と一線を画す内容で、ドメスティックなエレクトロポップから歩を進め、コアな部分が少しずつ侵食してきたような印象。別に過去の作品に妥協があったわけではないと思うけど、今作では楽曲を構成する様々な要素が、ハッキリとそれぞれで自己主張をしながら濃密に絡み合い、遠藤遼一のボーカルもこれまで以上にエネルギッシュな勢いを伴って、混沌とした熱気が渦巻いています。コンセプチュアルな「SAND LOWE」に始まり終わる、という構成もそういった印象を加速させているのかも。この時期に起こった湾岸戦争の影響があるらしいし、一聴して音像と結びつかないそのアルバムタイトルにも、彼らの怒りや意図が込められているのでしょう。その他にも「3 (drai)」を通過した収穫や、Ministryが切り拓いた初期インダストリアルメタルからのインスパイアなどもあると思います(「VIRTUAL WAR」はMinistry「Stigmata」をかなり意識していると思うし)。今聴いても申し分のない完成度。彼らの中でも傑作と誉れ高いのも納得。