MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

幻覚アレルギー / MOUTH TO MOUTH

 ヴィジュアル系パンクロックバンド・かまいたちの元メンバーであるSCEANA、梶井 "KAZZY" 沙介の2人を中心に結成されたヴィジュアル系ロックバンドのミニアルバム(1992年)。

 

 前身のバンド・かまいたちを管理人はほとんど知らないので迂闊なことは言えないんですが、カラフルな見た目や脱力系のボーカル、どことなくコミカルな曲調等の印象があります。そんなかまいたちの元メンバー2人が新たな方向性を打ち出すために新規に立ち上げたバンドというわけで、パンクがベースにあるという部分は共通ながらも、見た目も音楽の感触も大きく様変わり。より実直でスリリングな方向へシフトしているというか。黒でまとめた衣装、攻撃性や危険な匂いをまとう歌詞、それを吐き捨てシャウト混じりに歌うボーカル。その中で普通に綺麗なメロディだったり、歌詞の言葉選びも含めた奇天烈なポップ感覚などは残しているだけに、その瞬間瞬間に込められた怒りのようなパンク精神が非常に浮き出るのが楽しい。ちょっとhideを連想するものがありますね。メタルバンド・BELLZLLEBのメンバーがリズム隊のサポートを務めた甲斐もありサウンド面も強化され、骨太で荒々しく豪快で、それが全体の勢いと説得力を増強させています。尻軽女ファンを糾弾する(笑)「MERRY-GO-ROUND」もなかなか笑っちゃうけど、アブノーマルな単語や思想を羅列する「SPEEDアレルギー」「チョコレート中毒」は、後にメジャーで再録されるだけにやはりバンドを代表する存在感を放つ名曲だと再確認。粗削り気味ながらも、挨拶代わりにしては強烈な一枚。