90年代後半に「ビジュアルノベル」と呼ばれたパソコンゲームが注目を集めました。小説タイプのテキスト+CG一枚絵イラストの演出フォーマットによるアドベンチャーゲーム。要するに「美少女ゲーム」とも呼ばれるものです。管理人も当時その代表作である大ヒットタイトル「To Heart」をプレイしましたヨ。恥ずかしながらガン泣きした記憶があります。いやぁ若かった。
余談ですが、それまで「ときメモ」などのシミュレーションタイプの恋愛ゲームが一般的だった中、この「To Heart」や同時期に同じくヒットした別メーカーのタイトル「ONE ~輝く季節へ~」などの成功によって、美少女ゲームが一気にシナリオ重視のアドベンチャータイプへ主流が移ったとされるくらいに、後世へ大きな影響を与えることになったと記憶しています。トップクラスの作品は成人向けから全年齢対象に作り直され、家庭用ゲーム機に移植されたりTVアニメ化されたりと一大ブームを巻き起こしました。
その中でも個人的に一際記憶に残っているのが、その「To Heart」の後続タイトル「WHITE ALBUM」。カラフルで楽しげな学園生活という雰囲気だった「To Heart」に対し、シックでドラマチックな雰囲気が印象的で、タイトル通り冬の空気感が封じ込められていて。
ゲームの内容も結構面白かったと記憶しているんですが、エンディングテーマの「POWDER SNOW」という楽曲がゲーム以上に心を掴みました。粉雪というタイトルに相応しい儚さと郷愁的なメロディが組み合わさった名バラード。もうほんと何度も繰り返して聴いていました。どのくらい好きだったかと言うと、わざわざその楽曲が収録されている「LEAF VOCAL COLLECTION VOL.1」というコンピ盤を買うほど。その名残か、今でも冬になると毎年のように聴いています。今聴くとアレンジがいかにも90年代的という感じなんですが、最近はそれもまたいいかなと思えるように。
- アーティスト: オムニバス,中司雅美,美崎しのぶ,緒方理奈,AKKO,森川由綺,須谷尚子,松岡純也,下川直哉,石川真也,中上和英
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2000/01/28
- メディア: CD
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このコンピ盤は「To Heart」「WHITE ALBUM」を始め、この時代のLeafというメーカーのゲームのテーマソングが複数収録されており、自分にとってはかげがえのない青春の一枚と呼べるほど記憶に残るものとなっています。
で、もうひとつ。こちらは「To Heart」などを生み出したメーカー・Leafと並び称された美少女ゲームのトップブランド・Keyによるヒット作「Kanon」。実は前述の「ONE ~輝く季節へ~」とはメーカーは違えどスタッフが同じで、実質的には前身とも言えるタイトルです。前作同様に、この手のゲームの中でも悲しみと感動のカタルシスを大きくフィーチャーしたシナリオが特徴的で、こちらも当時のPCゲームのシーンに大きな話題と影響を与えました。管理人は「To Heart」ほど繰り返し遊んだわけではないですが、こちらもとても印象に残っています。
- アーティスト: 彩菜
- 出版社/メーカー: Key Sounds Label
- 発売日: 2006/12/28
- メディア: CD-ROM
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そのオープニングテーマ「Last regrets」とエンディングテーマ曲「風の辿り着く場所」には、ゲームよりも衝撃を受けました。空気感を演出するリリカルなピアノ、切々と歌い上げられる叙情的なメロディ、心地よい打ち込みのリズムトラック。こちらもわざわざ音楽CDを購入して、楽曲だけを何度も繰り返し聴いていました。
そんな個人的な美少女ゲームのテーマソングブームのあと、やがて管理人はいくつかのきっかけでインダストリアル系の音楽を中心に聴き漁っていくことになるのですが、その中で(どういうわけか)めぐり巡って、I've soundという北海道札幌市に拠点を置く音楽制作プロダクションのブランドに辿り着き、彼らが手がけたPCゲームの主題歌などを中心とした編集盤「GIRLS COMPILATION」シリーズのアルバムを集めながら楽しんでいました。
そして1stコンピ盤の「regret」を手に取ってようやく「あれ?数年前にハマっていた「Last regrets」「風の辿り着く場所」が収録されているではないか…!」と気づいたのでした。近年興味を持って発掘していた音楽(I've)が、実は管理人が青春時代を共にした思い出の楽曲に繋がっていたという不思議な出来事。自分の根幹となる嗜好は昔から変わっていないということなのかな?
I'veというブランドは、今でこそアニメ/ゲーム界で広く有名ですが、昔はCMや映画、トランスのオムニバスアルバムなどに楽曲を提供するところから始まり、主題歌を手掛けた「Kanon」が大ヒットしたことでその名が徐々に広まり始めたみたいです。それでも当時はまだまだ謎めいた存在だったようですが。
インダストリアルロックやシンセポップなどをある程度通過したあとにI'veの楽曲を聴くと、その音楽的な下地や深さをより感じることができてますます楽しむことができます。管理人が影響を受けた音楽レビューサイトさんの真似事のようになりそうですが、そのうちにこのブログでも紹介する予定です。
それにしても今回記事にして改めて気づいたんですが、管理人が感銘を受けたゲームとその楽曲はテーマが「冬」という共通点があるんですね。偶然か、はたまた冬っぽい雰囲気が元々好きなのか。まぁどちらのゲームも初夏発売だったんですけど。