MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

PIG / The Swining + Red Raw & Sore

Swining/Red Raw & Sore

Swining/Red Raw & Sore

 

 UK出身のRaymond Wattsによるインダストリアルプロジェクトの3rdアルバムとEPを合わせたコンピレーション盤。

 

 1993年に日本でのみ発売された3rd「The Swining」が廃盤になった後、1994年発売の来日記念EP「Red Raw & Sore」とカップリングされ、1999年に改めて世界で発売されたものがこちら。お家芸のオーケストラサウンドが本作では更にパワーアップし、前作のスケール感を引き継ぎつつ、型にはまらないユニークかつ大胆な旋律で楽曲を表情豊かにコーティング。メタルギターの存在感も際立ち、全体的にアグレッシブに聴かせる場面も増えているし、キャッチーさも増しています。その名の通り刃物を研ぐ音をサンプリングした「Blades」など、既存の枠に捉われない仕掛けもスムーズに消化され個性に繋げる手腕も流石。代表曲「Find It, Fuck It, Forget It」や12分弱のクラシカルインダストリアルメタルの大曲「Symphony For The Devil」など名曲の存在も光り、これまで以上に耳を離せない作品になっています。Foetusの影響をしっかりオリジナリティを保ったまま昇華させた上で、更なるメジャー感/スケール感を獲得し一段階上のステージへ上がったと思われる本作は、PIGの最高傑作との呼び声も高く、Nine Inch NailsやMinistryといったトップアーティストにも全く引けを取らない大傑作。「Red Raw~」のEPから収録された曲は、盟友KMFDMが参加したリミックスを中心によりハードな質感を帯びた楽曲がシビれる!通して聴くと80分弱なので相当長いですが、まさに渾身のPIGワールドに思う存分浸れます。