UK出身のMick HarrisとNic Bullenによるダブ/ダークアンビエントプロジェクトの1stアルバム。
Napalm Deathを脱退したドラマー・Mick Harrisとベーシスト・Nic Bullenの2人によって結成され、1995年までは2人をメインとした体制で活動し、以降はMick Harrisのソロプロジェクトとなりました。本作はGodflesh等で活躍するJustin Broadrickも一部の曲にギターで関与しているので "Napalm Death「Scum」のA面の制作に関わった主メンバーによる作品" と説明されることも多く、Scornの歴史の中でもどうやら少しだけ異なる作風の模様。具体的に言うと、次作以降はより深くインダストリアルダブ/アンビエントを追求していくのに対し、今作はヘヴィなスラッジメタル/インダストリアルメタル。殺気充分のギター、肉厚で硬いベース、鉄板を叩くようなドラム、フィードバックノイズ。感情とメロディを放棄したSkinny Puppyのようなボーカルも含め、非常に荒廃的で無機質で、Earache Records的な暴力性が強い。それだけでなく、曲の終盤にかけて崩壊的なノイジー・アンビエントを丁寧に時間をかけて描き繋がっていく様は、Scornならではの特色と迫力を感じます。LPからCDになった際に追加された終盤のディープなダブに接近するトラックまで合わせると全13曲75分という大ボリュームで、聴き通すのも一苦労。しかしアンダーグラウンドなインダストリアルメタルが好きなら聴いて損はないと思います。