ルルティア / R゜

R°(アール)

R°(アール)

 

 謎に包まれているシンガーソングライター、ルルティアの1stアルバム。

 

 人並み外れた極上の天然ウィスパーボイスは妖艶に響き、そこから綴られるメタファーに富んだ物語性の強いリリックは、プロフィールが非公開で、ライブはもちろん一切のプロモーション活動も自粛するというスタンスから生まれる本人のミステリアスさによって匿名性に拍車をかけ、非常に神秘的かつ幻惑的。まるで神話やお伽噺の世界へ迷い込んだような錯覚さえ覚えます。時に狂気を孕み、時に癒し、時に優しく包み込むような母性を垣間見せる楽曲は、エレクトロニカ/ニューエイジ/アコースティックに接近したサウンドによって一貫して透き通るような色を持ち、かつ安っぽくならないラインを維持した高いポップ性をまとっています。中でも「ロスト バタフライ」は、ポジティビティを神々しいメタファーで彩った名曲。つくづく、新人の1作目とはとても思えない完成度。いきなり最高傑作じゃないでしょうか。この作品を初めて聴いたときの衝撃は今でも覚えているくらい強烈だったし、この1stがファーストコンタクトで良かったと個人的に思います。