KMFDM / Adios

Adios

Adios

 

 ドイツ出身の大御所インダストリアルバンドの10thアルバム。

 

 タイトル通りこの作品で一度解散を迎えるので、初期からの主要メンバーでもあるEn Esch、途中参加ながら象徴的なギターを弾いていたGünter Schulzらを含む黄金期とも呼べるメンバー体制での最終作ということになります。ただ、制作の方にはあまり関わっておらず、前作より参加したTim Sköldをほぼ全曲の制作/アレンジに抜擢。ボーカルも多く執っているし、もはやKMFDM feat. Skoldといった趣も。作風としては前作の延長上にあり、全編を通して完全にテクノ系へシフト。ギターはところどころ鳴っているけど存在感は非常に希薄で、ロックではあるけどインダストリアルではない、完全にクラブ向けKMFDMといった趣。ビッグビートを意識したのかな?でも前作からこういった方向に進んでいたし、それを更に推し進めて強化されたアレンジは決して付け焼刃ではなく、安心して聴ける完成度は間違いなし。大胆なオーケストレーションと進行する「D.I.Y.」やTim Sköldの美メロが冴える「Today」、そこにKMFDMの喧噪色が融合した「That's All」などは彼らの歴史の中でも十分に名曲たり得るもの。意欲作ながら単純に一作品としてとらえても魅力的だし、解散に向けて全力を出し切ったという意味でも素晴らしいアルバム。