MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Shotgun Messiah / Violent New Breed

Violent New Breed

Violent New Breed

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 スウェーデン出身のヘヴィメタルバンドの3rdアルバム(1993年)。

 

 前作までは定型的なヘアメタル/グラムメタルだったそうで、一応そこそこのヒット曲も生みだしていたとか。管理人はそちらは未聴で、そもそも本作に興味を持ったのが「Tim Skoldがかつて在籍していたバンド」「インダストリアルメタル界隈で人気と評価がかなり高い」という理由だったりします。そして実際に聴いた瞬間にぶっ飛びました。分厚く刻まれるギターリフ、けたたましく響く強力なマシンビートが織りなす衝撃といったらもう。とてつもない!どうやら当時バンド活動が暗礁に乗り上げており、契約を消化するためにフラストレーションをありったけ注ぐように制作され、その影響でこういった方向性を選んだのだとか。道理で、まるで怒りや自暴自棄にまみれたような怒涛の攻撃性で一貫しています。しかしそれでいて根底にあるのはストレートなヘヴィメタルなので、爽快な歌メロや弾けるようなギターソロも活躍し、決してとっつきにくいものではないというのも大きなポイント。一言で言うと「機械でコーティングされたHR/HM」…うーん、似たような台詞を吐いたバンドもいたなぁ(笑)。そのバンド(Die Krupps)や例えばNine Inch Nails「Broken」、Ministry「Psalm 69」といったハードなインダストリアルメタルで名を轟かせる同時代のトップクラスのバンド/名盤に全く引けを取らない完成度を誇るので、その辺りが好きであればきっとそれらに肩を並べる愛聴盤になり得るでしょう。リリース当初は賛否が分かれ結局バンドは解散してしまうわけだけど、このジャンルが定着するにつれ実際にグングンと評価を高めていったようで、それも納得ってなもんです。