MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Die Krupps / I

Die Krupps

Die Krupps

 

 ドイツ出身の大御所インダストリアルンドの4thアルバム(1992年)。

 

 初期のベスト盤やトリビュート作を挟み、実に久々のリリースとなった再始動の作品。それを意識してかどうかは知らないけど、タイトルも簡潔に「I」。バンドの方向転換か、はたまた時流に合わせた変化か。この作品を境にいよいよ後期の彼らの特徴でもあるインダストリアル系スラッシュメタルに徐々に接近し始めます。とはいえ今作に見られるサウンド自体は、DAFのニオイを感じさせるちょっと重めのEBM風。しかしその長い活動歴や幅広い音楽性からか楽曲自体はやはり洗練されており、シンセの載せ方やサンプリングの腕前もしっかりしていて、かつテンポも迫力もあり聴きやすく、メタルギターのほんのり適度な存在も含めてなかなかバランスが良いです。Metallicaの名曲「One」のカバーなんかもあって、メタル嗜好の人にも受け入れられやすい間口の広さもあるんじゃないかと。そして何と言っても超高速攻撃ナンバーであるラスト曲「Rings Of Steel」の存在を忘れてはなりません。激速!必聴!一口にインダストリアルメタルと言っても、彼らの個性と存在感は素晴らしいですね。