MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Slipknot "Vol. 3: (The Subliminal Verses)"

The Subliminal Verses Vol.3

The Subliminal Verses Vol.3

  • アーティスト:Slipknot
  • Roadrunner Records
Amazon

 アメリカ/アイオワ出身のニューメタル/オルタナティブメタルバンドの3rdアルバム(2004年)。

 

 各メンバーのソロ活動の活発化の裏に流れた解散説を乗り越え完成した約3年ぶり3作目。色々な問題や障害がありつつも、いざ制作の佳境では無事一丸となれたようで、新プロデューサー・Rick Rubinと共にバンドの新境地へ達した見事な快作に仕上がっています。スピーディに駆け抜ける楽曲と並走するトレモロリフ(て言うのかな?)や、切れ味の鋭いキャッチーなリフを多用するメタルナンバー、そして全体における明らかな歌メロの増強…と、例えお株の暴れる曲であっても勢いを緩めることなく "聴かせる" アプローチを拡充し、更にはアコースティックギターがリードするバラードまでも披露。ダークネスなムードや旋律が出色の「Vermilion」に至っては2種のアレンジで収録するなど、楽曲単位、あるいは1曲の中にすら混在するメリハリと、それを破綻させず高いレベルで融合させていくバンドの変化/力量をまざまざと刻み込むことに成功しています。殊にメロディアスなCorey Taylorの歌に関しては表現力や器用さなどがより浮き出て、それがバンドの武器や魅力として確かなものに。彼とJames Rootによる別バンド・Stone Sourでの経験も活きたことでしょう。とは言えリリース当時はやはり賛否両論だったかな?忘れちゃったけど、幅や間口を広げながらも根っこにあるSlipknotらしさに揺るぎはなく、個人的にはもう最初から諸手を挙げて熱狂した一枚でもあります。今聴いてもやっぱり最高。でもボーナスCD収録の「Don't Get Close」「Scream」が本編曲よりツボだったりする(笑)。