MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Devin Townsend / Infinity

Infinfity

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 カナダ出身のマルチミュージシャン/プロデューサー・Devin Townsendの通算3作目となるソロ作品で、本名の名義では初となるアルバム(1998年)。

 

 自身が主宰するエクストリームメタルバンド・Strapping Young Ladを一旦休止状態にし、満を持して動き出した自身の名を冠するソロワーク。プログレッシブ/アンビエントにも接近した前年のソロ作「Ocean Machine: Biomech」と、高速重低音を追求したSYLの融合…というには少し大げさだけど、8:2くらいでそれぞれのカラーを引き継いだ感覚で、主役レベルのシンセと並走する重厚で煌びやかなメタルサウンドが解放感たっぷりに広がります。SYLの凶悪な連打っぷりは皆無とはいえ、ドラマーのGene Hoglanがスライドし生み出される音の厚みはSYLにも匹敵するレベル。その上で、連続的な曲展開をもって1枚トータルでの世界観を提示したような「Biomech」とは異なってもっと1曲単位でのアイデアや機能性を重視したような節もあり、ド正面にキャッチーなリード曲「Christeen」、文字通りサタニックな旋律が印象的なシャッフルヘヴィ曲「Bad Devil」、屈指のテクニックでただただカオスに駆け抜ける「Ants」など個性的な楽曲を伴って、5分前後で全10曲と簡潔にまとめられています。法外な音の厚みや、終盤の轟音アンビエントに向かってゆっくり盛り上げていく流れなどの好みを分けそうなDevin Townsendらしさは据え置きではあるけど、彼の膨大な作品群の中でも最もストレートかつベーシックな良さがあり、聴きやすさでは1~2を争う作品かと。ちなみにジャケの人物は某江頭さん…ではなく当然Devin Townsend先生本人!漢だ!(意味不明)