アメリカ/アイオワ出身のニューメタル/オルタナティブメタルバンドの2ndアルバム（2001年）。
出身地であるアイオワ州の名を冠した2作目。前作であまりにも痛快なデビューを飾ったので世界中から次への注目が集まっていただろうけど、ダークさとヘヴィさに更に磨きがかかり、前作を凌ぐエクストリームっぷりで帰還したという凄まじさ。そしてそれが世界各国でチャート上位にランクインするという恐ろしさ。一気にビッグネームにのし上がったがゆえの多忙を極める活動やプレッシャー、メンバーのアルコール/薬物依存や関係性の問題などがあったようで、そういった色々な外的要因からの絶望や怒りを乗り越え、制作に注ぎ込んだことも一際邪悪なアルバムが完成した要因だそう。何とも腑に落ちる話だし、そういった背景を抜きに音だけに耳を傾けても、一つ一つの音や声は明らかに一際激しく重くなり、それが怒りまかせのようなシャウトや獰猛かつ直進的なブラストビートでもって聴く者を圧倒しにかかる迫力を感じます。遊び心やミクスチャー感覚は前作より減退しているけど、それでも息が詰まらないのはやっぱり楽曲にしっかりとポピュラリティーが宿っているから。冒頭～「Disasterpieces」までの圧倒的な流れやメロディアスなシングル2曲「My Plague」「Left Behind」の完成度と存在感は目を見張るものがあるし、アグレッション重視の楽曲もフックをしっかりと作り、違和感なく連続して聴かせていく手腕はやっぱり凄すぎる。安易に大衆には迎合しまいとするバンドの姿勢と、それが逆に大衆を惹きつけるという良い意味での捻じれ現象が、本作をより特別なものにしているとすら思えます。圧巻のニューメタル・マスターピース。
