MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Strapping Young Lad / City

City (re-issue + bonus)

City (re-issue + bonus)

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 カナダ出身のマルチミュージシャン/プロデューサー・Devin Townsendを中心としたエクストリームメタルバンドの2ndアルバム(1997年)。

 

 自身で大部分を演奏し制作した1作目とは異なり、メンバーを募りバンド体制で制作。ライブの開幕を模した(?)1曲目からなだれ込んでいく序盤の流れで早くもノックアウト。とにかく音の厚み・重さ・激しさが尋常じゃない!それは前作すらも遥かに超えるレベルで、もともと音楽活動をする上で感じた "怒り" を吐き出すという意図もあるプロジェクトであり、その本領がいよいよ発揮。特にデス/スラッシュメタルバンドでのキャリアと "人間ドラムマシン" の異名をもつ凄腕ドラマー・Gene Hoglanによって叩き込まれる常時高速のドラムが強烈で、そこに乗せられ濁流のように流れていく爆音の洪水っぷりは、ヘッドホンで聴くと「逃げ場がない!」とたじろいでしまうし(謎)、人によっては具合を悪くしないか心配になるほど。それでも存外キャッチーに聴けるリフ/曲展開や半ば咆哮化しているボーカルから紡がれるメロディがあり、慣れるとその聴きやすさにも気づき改めて圧倒されます。その完成度は当時絶賛されたらしく、また現在においても多方面でStrapping Young Ladの最高傑作とも言われ、彼のすべてのソロキャリアを通してみても未だに色褪せない衝撃が。マシーナリーな音楽性ではなくなったけど、インダストリアル/エクストリームメタルの究極系として必聴盤!本作中では異色中の異色の世界が広がるインダストリアル/ノイズロックバンド・Cop Shoot Cop「Room 429」のカバーも要注目。ちなみに今作の邦題は「歌舞伎町から超鋼鉄重低爆音」。なんだそのセンス。