MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Devin Townsend / Ocean Machine: Biomech

Ocean Machine

Ocean Machine

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 カナダ出身のマルチミュージシャン/プロデューサー・Devin TownsendによるOcean Machine名義(当時)でのソロ作品(1997年)。

 

 当時は名前を出さずに活動していたためか、Ocean Machine名義で作品名を「Biomech」としていたけど、後の再発盤ではDevin Townsend名義になり作品名が「Ocean Machine: Biomech」とまとめられた模様。本作以前から稼働していたStrapping Young Ladの超がつく高速重低音とは全く異なり、爽快で壮大というか、煌びやかなキーボードと一体化したヘヴィサウンドが打ち寄せる波のように響き渡り、直球のメジャーコードで明るく広大な視界がドーンと開けていくような様を演出していきます。まるで当初のプロジェクト名にもある "Ocean" を具現化したかのよう。またDevin Townsend自身の制作当時までの人生を振り返るというコンセプトもあるらしく、本作随一のキャッチーな「Life」を始めメロディアスな曲からアコースティックで内省的なサウンドへの移行、またそこからちょっとした組曲のような展開も見せていく流れなど、プログレッシブ/アンビエントなどのSYLとは異なる音楽嗜好を込めながらストーリーを表現していきます。反面、終盤の10分超の楽曲の連続配置などはやや退屈にも思うけど、以降のライブ定番曲も割と多いらしく、作風的にもDevin Townsendソロの系譜の原点とも言えることが伺えるという点では非常に重要な一作かと。SYLと違ってインダストリアルメタル要素はゼロだけど、それでも管理人は一瞬で惚れ込んでしまいました。SYL「City」と発売日が半年も空いていない(ほぼ同時期に制作された)というのも凄すぎる。