MECHANICAL FLOWER

機械、金属、肉体、電子、幻想、前衛…そんな音楽が好き。

Nine Inch Nails / Broken

Broken

Broken

 

 US出身のTrent Reznorによるインダストリアルバンドのミニアルバム。

 

 以降のインダストリアルロックシーンに大きな影響を与えたNine Inch Nails(以下:NIN)の中でも、所謂「インダストリアルロック」のストレートさが最も如実に出た一枚。前作に残っていたエレポップの匂いが完全に消失し、同じ人物の作品とは思えないくらいに思いっきりハードになっています。 何でも当時所属していたTVT Recordsとの移籍をめぐるトラブルがあったらしく、その辺の怒りと、ライブツアーの経験が集約されてこうなったとか。ノイジーなギター、ヤケクソ風味のボーカル、無機質なマシンビートが織り成す攻撃性と狂気が駆け巡りつつ、フレーズそのものがキャッチーで非常に聴きやすいのがポイント。まさにこれがTrent Reznorの非凡な才能の賜物なんでしょう。グラミー賞を受賞した「Wish」は特にハード&ポップで素晴らしい。NINの作品という一歩引いた視点でみると実のところ異色とも言えるのだけど、NINやインダストリアルロックというジャンルの入門用に最適な間口の広さ。X JAPANのhideも恐らくリスペクトしている筈(「HIDE YOUR FACEのジャケットは本作を意識していそう)。ちなみにシークレットトラックとして収録されている99曲目はPigfaceにも提供した「Sucks」です。