2人組エレクトロニック/インダストリアルロックバンドのミニアルバム。
当時、既にタイトルも明かされ制作中だった2ndフルアルバムへの先行EPという形で発表された作品。EPと言っても全7曲のうち2曲はインタールード、うち2曲は海外のミュージシャンによるボーナスリミックスで、実質的な新曲は3曲。だけどその3曲ともが素晴らしい。表立った主張的なシンセとダイナミックなギターリフ、小さなギミックも駆使したメリハリと細工の効いた音使いで、よりインパクトのあるエレクトロニックロックを展開する「eNvy」「LiE」(名曲!)、どこかPIGの「Cry Baby」を思い出す、日本語詞も飛び出すバラード「litanie」。陰鬱なムードを強調することで求心力を高めていた1stに比べると、新たなアプローチがそのまま作品に流れる新鮮な空気に繋がっているし、それまでの彼らの音楽が好きな人の期待にもしっかり応える内容かと。結局、後に2ndアルバムの制作が白紙になり、結果として単発のEPになってしまったんだけど、練られた構成も手伝い、フルサイズのアルバムをそのままミニサイズにしたような感触もあり、一つのパッケージとして十分に魅力的な作品になっていると思います。