16Volt / SuperCoolNothing

Supercoolnothing

Supercoolnothing

 

 US出身のインダストリアルロックバンドの4thアルバム(1998年)。

 

 上記のジャケットはレーベル移籍後の再発盤のもの。オリジナルのジャケットは鬼ダサイです。さて内容ですが、1stアルバム以来となる外部プロデューサーを起用。Nine Inch NailsMarilyn Mansonにも関わったというBill Kennedy、劇伴作家のJoseph Bisharaといった面々(と自分たち)が名を連ねています。しかし特に何かが大きく変わったりパワーアップしていたりという感触はなく、前作の無味無臭インダストリアルロックの延長といった感じ。細かい違いを探すなら、激しい曲はより迫力を増したし、スローなパートや楽曲の腰の据わった聴かせ方も少しだけ新鮮。実際アルバムを通してより印象に残るのは、アンビエント風の「Low」やラストのシューゲイザー風の「At The End」だったりするので。しかし彼らを特徴づけるほどでもなく、全体的にはまずまずといったところ。とは言え、後(2002年)にデモ/リミックス音源を合わせた2枚組の「~V2.0」として再発し、その中の楽曲がPlayStation2の某ゲームソフトの中で使用されたらしいので、彼らにとっては人気を博した作品と言えるのかも。

 

ギルガメッシュ / NOW

NOW

NOW

 

 4人組ロックバンドの4thアルバム。

 

 前作以降(普通に流通するものとしては)初となるシングルリリースを重ね、その末に発表された作品。まぁそのシングル曲は(通常盤に)1曲しか収録されていないんだけど、そういった経緯を反映してか、前作で確立したデジタル/ラウド一本にこだわらず、ポップさを起点にアプローチをより広げた内容になっています。過去作ミニ「Reason of crying」を今(当時)の力量でフルサイズに解釈したような感じかな?バラードやラップ主体の曲もありつつも、メロディを前面に押し出した歌モノの存在感が強く、元々はカップリング曲の「睡蓮」やリード曲「arrow」の染み渡るようなメロディは秀逸の一言。女性コーラス×ファンクの「BEAST」も新しい。ただ、恐らくはハードなサウンドやシャウトでゴリ押すような曲をあえて封印し、全体的に聴きやすさに重点を置いた節があり、結果妙に小奇麗にまとまり過ぎたような。決して悪くはないんだけど、彼らの良さは他にもあるぞ、と言いたくなります(実際、同時期に発表された「GAMBLE」という曲がインダストリアル/ラウドで滅茶苦茶カッコいい)。あと、全体的に安易なラップが増えすぎて、なんか妙にチャラい感じを受けるのも否めない。そこも(あとジャケットも…)ちょっと好みが分かれそうなところ。ちなみに限定盤はDVD重視で曲が絞られてる上に2種あったりと売り方もえげつなく、オリジナル曲が多い通常盤が無難。その中ではスラップベースと歌謡メロが並走する「driving time」がとても良いです。 

 

MELL / MELLSCOPE

MELLSCOPE (初回限定盤)

MELLSCOPE (初回限定盤)

 

 I've専属ボーカリストの1stアルバム。

 

 実はI'veでも最も古くから参加していながら、KOTOKOを始めとした主要な専属歌手としては後発のメジャーデビューとなったMELL。その間にI'veがメジャーへ切り込み蓄積されていった経験を反映し、1作目にして確かな完成度を実現。「後の彼女に繋がる片鱗は~」なんて補足は要りません。昔から優れた歌唱力と英語の発音を有しながらも、それ程目立つ位置にはない印象もあった彼女だけど、アニメ「BLACK LAGOON」の主題歌「Red fraction」で別人のように覚醒し、クライムアクションの作品内容に相応しいハードで攻撃的なサウンドでリスナーの度肝を抜いたのが一つの転機に。そこから辿り着いた本アルバムは、正調なバラードもあるけど、全体をリードするのはザクザクと刻まれるノイズギター、うごめくようにうねるベース、トランシーなビートで、ダークなインダストリアルロック「風」というより「そのもの」と言ってもいいレベルの曲も多い。I'veが元々持っていたマニアックな一面ではあるけど、MELLのクールなアーティスト性とのベストマッチを図って鳴らされており、その相乗効果における破壊力は「いちアニソン」では括れない魅力があります。終盤に収録された「美しく生きたい -10 years anniversary mix-」は毛色が少し違うけど、それもその筈タイトル通り1999年発表のMELLのボーカルデビュー曲のリイシュー。彼女の本当の原点も同時に楽しめちゃいます。

 

Bile / Sex Reflex

Sex Reflex

Sex Reflex

 

 US出身のインダストリアルメタルバンドの3rdアルバム(2000年)。

 

 それまでのレコード会社と袂を分かち、自身のレーベルBile Style Recordsを設立してリリースされた作品。初期はMinistryにも引けを取らないような無機質かつ激しいサウンドだったけど、本作では曲によってメロディらしいメロディに乗せて歌われたり、ラップめいたボーカルが飛び出したり、四つ打ちダンスビートでノリノリだったりと、随分とポップな感触になってビックリ。もはやMinistryというより(最初期の)Marilyn Mansonを思い出すB級ホラー感。だけどギターやボーカルを中心に全体を電気加工しまくったように歪んだエフェクティブな音像や、彼らの代表曲にもなったらしい「In League」のサビにおけるキックの連打など、急激な緩急やうるささ・激しさを逆手にとったような手法は相変わらずで、総じてそういった「過剰さ」を押し通すスタイルはずっと根底にあり続けていることが伺えます。ただもうこうなってくると、場繋ぎ的なノイズインストや、ラスト付近の定番となりつつある長尺ノイズアンビエントなんかを省いて、いっそ簡潔にまとめた方がより聴きやすかったかもという気はします。 

 

トモコDEATH / anDEATH

anDEATH

anDEATH

 

 2人組デジタルハードコアユニットの2ndアルバム。

 

 民族音楽とデジタルハードコアを組み合わせた音楽が特徴的な彼ら。2作目となる本作ではタイトル通りアンデス音楽(フォルクローレ)を取り入れてきました。CDを再生したら聴こえてくるトラッドな笛の音色と猛々しい合唱は、いかにも異国のお祭りか儀式の場に迷い込んだかのよう。そしてそこに自然に融合しながらやがて主張を高めていくリズムトラックやノイズ、相変わらず強烈なトモコのデスボーカル/シャウト。特異としか言いようがない世界が広がっていきます。前作はスペイン音楽が下地で全体的に攻撃的だった(あと味づけが薄めだった)分単調さを感じもしたけど、本作は牧歌的というか郷愁的な民族音楽の体系や空気感がしっかり頭から終わりまで続き、ブレイクコアやジャングルの攻撃的なアプローチからシンプルでリズミックなアンビエント/ノイズまで曲調も幅があり、トモコも激しいシャウトから舌っ足らずのあどけない少女のような歌い方を自由に使い分け、全体の起伏のある流れと聴き応えは確かで、翻って(いい意味で)ヘンな音楽としても魅力的だと思います。インダストリアル好きにもお勧めできそう。