東京を拠点に音楽活動をする@anokthusさんの1stアルバム(2013年)。
高密度に圧縮されたハードコアインダストリアル。歪んだキック、削岩機のようなビート、金属の擦れるような打撃音や機械的な効果音、ハーシュノイズなどが一体となって情け容赦なく襲いかかる破壊的なサウンド。Ant-Zen(ドイツのリズミックノイズ系の一大レーベル)から輩出されてそうな音楽で、けたたましく響き渡る轟音はコアなインダストリアルリスナーが歓喜するようなツボをビシバシ突いてきます。そう言いつつ管理人はAnt-Zen周辺やパワーノイズ等と呼ばれるジャンルに疎く、基本的にはポピュラーなインダストリアルロックが好き。では本作は難解で理解できないかと言うとそうでもなく、荒涼とした曲から壊れたコンピュータがエラーを吐き続けるような曲まで魅せ方も豊富で飽きさせないし、規則的かつフィジカルなビートで進行するためにどこか過激なダンスミュージックのようで、ある種の親しみやすさすらも感じ、全く無理なく楽しむことが出来ました。一定のジャンルに捉われず、刺激的な電子音楽を求める人への広い受け皿にすらなり得そうな作品。